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ネギと価格決定

  • ムスコ
  • 2017年12月24日
  • 読了時間: 2分

今年は長雨や台風の影響により野菜の価格が大変な事になっています。

ネギやほうれん草、白菜、レタスなど特に高く、例年の2倍位の価格になってます。

農に携わる以前の私なら、その無関心から「今年は野菜農家儲かってんだろな~」などと思っていたに違いない。

価格は基本的に需要と供給のバランスで決まるものなので、今年は供給減という事です。気候や被害により収量が減り、総出荷量が減るわけなので、うちに限って言えば利益率は特段変化なし。特に今年のような天候だと自然に対して無防備な露地栽培ではB(わけあり品)も増加し、台風で全滅した品目もありました。誰の不手際でもなく、自然の怒りによりコストを失う訳なので腹も立ちませんけどね。

そんな中、ネギ神のご加護か立派なネギが育ちました。こ、これは全滅したほうれん草を安らかに成仏させるチャンス(コスト回収!)え~、1本300円として.....と鉛筆舐めていられれば幸せかもですが、2本で178~210円(税抜き)で出しています。

「直径ジャスト3cmネギ!」

いくら上等なネギが作れたとしても、実際に販売するスーパーの手前や、生産者同士で暗黙の相場合わせをする必要があります。お隣に痩せ細ったネギが198円で売られていたとしても、せいぜい2~30円増しが限度です。

このことは日本を支配する空気の法に基づいて余儀なくされる決定です。農産物は水や電気同様、人間生活に必須なものであるから、上質なコーヒー豆のようにブランド化され5倍の価格にされたら困る....ということなのかどうなのか明確な理由は解りませんが、私の思うところ一言で言えば「たかだかネギ」「たかだか野菜」の価値観が理由のひとつ。この意識革命が起きない限りどのような手段で販売しても相対的な価値相応の価格で買う人はまず居ないと思います。

より良いものを作る為に投資し研究に励んでいる農家さんは多いと思います。品質もコストもピンキリです。しかし空気という足かせが邪魔して価格に反映できない。(しにくい)そうしたことは他業種でも沢山見られますが、それはひとえに発展を妨げる事に繋がります。にも関わらず、天候という運要素に左右されながら、美味しい野菜を提供したい一心で努力を惜しまない大先輩の方々の心意気に、私は本来の「日本」を感じます。

ポジティブな意味で、「立場変われば心も変わる」

はい、暴飲暴食の日です。しっかり食べて吐きましょう、メリークリスマース。

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